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APIとは?初心者も理解できるように簡単に、具体例と合わせて解説

WEBに関わる機会があると「API」というワードを耳にすることがありますが、エンジニアとして働いていたりITに精通している方でない限り「API」が何なのか分からない…という方も多いでしょう。「API」というシステムを聞いたことが無い方でも、日々生活する中で実は利用していたお店が使っていた…ということも多く予想できます。

しかし、実際に我々のインターネットを利用している生活の中で切っても切り離せない存在なものが「API」というシステムなのです。実際にLINE・TwitterFacebookといったSNSも「API」を発行し、集客のために利用して運用しているといった例もあり、とても身近な存在でもあるのです。「API」というアルファベットが羅列していると、一体何のことか理解できないという方にもかみ砕いて解説していきますので参考にして下さい。

APIとは?

そもそもAPIとは「Application Programming Interface」の略称ですが、プログラミングやエンジニアとして勤務している方や、プログラミングについて学んだことがある方以外は略称を聞いたところで「さっぱり…」となってしまいますね。

API」を分かりやすく日本語に変換すると「特定のアプリケーションをプログラミング(設計・構築・作り上げる)するために、つなぎ合わせるシステム」です。実際に使われているAPIの活用例を紹介すると、特定の郵便番号を入力するだけで、市町村まで自動で反映されることがありますね、これが「API」システムの組み込み例です。

APIの種類はたくさんある

API」が我々の生活に利用されている事例としては、主に「WEB API」となります。ここで「API」と「WEBAPI」は違うのか?という疑問が出てきますが、あくまでも「API」の大枠の中の1つが「WEBAPI」です。そのため、何か大きな違いがあるわけではありません。実際にどのようなWEBAPIの種類があるのかをご紹介するので参考にしてください。

Web APIの使用例

  1. DMM Webサービス
  2. LINE Pay
  3. NHK番組表API
  4. Open Weather Map
  5. Yahoo!ショッピングWeb API
  6. YouTube Reporting API
  7. じゃらんAPI
  8. ホットペッパーAPI

API」という用語自体は聞き慣れないものですが、利用されているWEB APIとしては「DMM」「LINE」「NHK」「Yahooショッピング」「YOUTUBE」「じゃらん」などと、インターネットを使う方からは聞き慣れているサービスサイトばかりです。

APIを活用することで、普段より入力するステップが短くすんだり、どれくらいの視聴者が自分が投稿している動画に何分程度滞在していたのかといったデータを簡単に手に入れる事ができます。

Web APIを使うとどうなる?

前項でWEB APIを利用することができるインターネットサービス媒体を紹介しましたが、実際にWEB APIを活用すると、どんな効果があるのか、まだ具体的なことが想像できないという方も多いと思われます。

実際にWEB APIを使いこなせれば、何をどうすることが出来るのか、人気のAPIの具体例を紹介します。

Amazon APIアマゾンで出品されている中古商品の最安値、中古価格を自動で算出してくれる。
楽天 API楽天サイト内での在庫情報や値段の変動情報を自動で得ることができる。
Yahoo APIYahooが運営するサイト内での情報を自動で取得できる。(Yahooショッピング/Yahoo天気/Yahoo ID連携/Yahoo mailなど)
Twitter API自身が保有するサイトや、開発したアプリからtwitter内のつぶやきを検索したり、ユーザーがいいねをしたツイート一覧を見ることができる。

ご紹介したのはほんの一部ですが、APIを使用することで、自分が調べる手間が省けたり時間を有効に使うことができると理解できますね。

APIを使うメリットとは?

ここまで読んでいると、「API」を利用すれば便利な生活が送れそう、と何となくイメージが沸いてくると思います。実際に「API」を組み込んだ場合にどのようなメリットがあるのかを解説します。

・ソフトウェア開発が効率的にできる

通常はソフトを開発するときはゼロベースでプログラムを組む必要がありますが、必要なプログラムが「API」上ですでに公開されている場合は、そのプログラムを使う事ができます。例えば、天気を自動で知らせてくれるチャットボットを作りたい場合はゼロからプログラミングをするのではなく「Yahoo天気」「Open Weather Map」などにあるAPIを使うことで短時間で作り上げることができます。

・セキュリティの向上

Twitter,Facebook,Googleを使うときは自身のアカウントにログインする必要があります。その際に連携させたいサービスの「API」を導入すると「API」を利用させたアカウントのログインを行うことができます。

API」を使うと外部に情報が漏れてしまうのでは?と心配になる方もいらっしゃいますが、自社で会員登録システムを1から作り上げるよりはすでに大手がリリースしている「API」システムを利用する方がセキュリティの質も高く、結果ユーザーからも信頼されやすくなります。

・開発コストが少なくすむ

すでにリリースされている「API」を使いながら作りたいプログラムを組んで行くため、ゼロから開発する必要がありません。そのため、短時間でシステムの開発費用も抑えながら自社で活用できるシステムを完成させられることも可能です。

必要な外部の「API」サービスに頼りながら自社が作りたいものを作って行ける点は大きなメリットです。

・新しいビジネスチャンスを見つけられる

自社単独で新しいサービスのプログラミングを1から作り上げると、時間も労力もかかるだけではなく、これまでの自社のやり方に沿って仕事を行うことになります。そのため、他社と比較して劣っている点、他社に頼った方が実は良かった点も見つける機会を失いがちです。「API」を使って行けば、他社がどんなシステムをリリースしているのか身をもって学ぶ事ができるので、自社と他社での連携をするチャンスも生み出すことができます。

APIを使うデメリットとは?

無料で使うことができる「API」があったり、有料でも使用するのに莫大な費用がかからない「API」は昨今色々な人や企業が使っていますが、もちろんメリットだけではありません。

自社で一から作り上げられたプログラミングではない「API」を使う事で発生してしまう可能性のあるデメリット部分についても触れていきます。

・サーバーに障害が発生したときに使えない

API」と連携させているサービスに何らかの不具合が起きた場合、自社のサービスを利用することができなくなったり、自社サービスを利用しているユーザーからクレームが起こる可能性があります。

障害が発生した際に、これまで問題なく取得できていた情報を得ることができなくなったり、特定のサービスにログインすることが出来なくなる場合の対策を事前に考えておくと良いでしょう。「API」の障害が発生する理由としては、「悪徳業者が不正アクセスしたため」「APIに対して過剰なリクエストがされてしまったため」などが考えられます。

・「API」仕様が変更したときに使えなくなる

API」システムは常に同じプログラミングが組まれているというものではなく、そのサービスを提供している企業が「API」の仕様を更新などが理由で変えるということがありえます。

そうすると該当する「API」システムを組み込んでいるサービスがこれまでのように使えなくなる可能性があります。逆にアプリケーションなどを自社で1から作り上げていると開発コストと時間がかかりますが、仕様が変わったとしてもサービスを継続して提供し続けられます。どこまでの割合を「API」に頼ってシステムを組み込むのか考えることが大切です。

・「API」に依存してしまう

これまで触れてきたように、コストも抑えながら利用できる便利な「API」システムに依存してしまうと、障害やシステムトラブルが起きた時にこれまで通り使い続けられなくなります。便利な「API」システムですが、あくまでも利用の補助要因として位置づけしながら使っていきましょう。

よくあるAPI連携の具体例

SNSでのハッシュタグ連携

LINE・TwitterFacebookInstagramといった日常に当たり前に使っているSNSは実はAPI連携の代表格なのです。APIを連携させることで、面倒なログイン認証が省略して行えたり、過去の検索に連携した商品が紹介されるようにすることができます。中でもInstagramAPIを活用してみると「#(ハッシュタグ)○○」と検索した特定の検索結果のみがInstagram内に表示させることができたり、使いこなすことができれば便利です。

・レジでのAPI連携

日常的に利用しているPOSレジでもAPI連携が活躍します。外部のデータと連携するときには、登録せずにもPOSレジ側で自動更新ができたり、POSレジ上でどの商品がどれくらい人気があるのかを把握することができます。複数の店舗があるスーパーやコンビニでAPIシステムを導入しているところでは、店舗ごとの売り上げデーターも一括管理することが出来るので今後の計画を立てる際にも便利な機能です。

*POSレジ:スーパー・コンビニ・医療機関エステ店舗などで広く支払い機能として普及しているレジシステムがPOSTシステムです。

・大手ECサイトでのAPI連携

日常生活を行う中で一度はネット通販を利用したことがある方も多いのでは無いでしょうか?「Amazon」「Yahooネットショッピング」「楽天」といった大手の通販サイトもAPIシステムを導入している代表例として紹介できます。

自社のECサイトのみの場合は、認知度もまだ高くないケースがありますが「API」を連携させて大手ショッピングモールと提携すれば売り上げUPを狙える可能性があります。また、POSレジでも売り上げの一括管理ができるように、ECサイトでも発展利用すれば、商品在庫・顧客の購入情報なども一括管理することができます。

APIを使うとき注意すべき事

便利な「API」をシステムに導入するときにも注意すべき点はいくつかあります。導入前に利用しようとしている「API」が問題ないか、チェックした上で導入することをおすすめします。

・セキュリティチェック

API」は外部のシステムを利用することになるため、セキュリティ面が整っていないと利用時に個人情報が流出してしまったり、外部の悪意を持ってデータを攻撃しようとするサーバーから攻撃されてしまうと、自社の情報が漏れてしまいかねません。大手が開発してリリースしている「API」だから大丈夫!と思う前に、自分が使おうとしている「API」はセキュリティ面がどのような工夫をされているのか十分チェックした上で利用しましょう。

・メンテナンスチェック

API」は定期的に更新・メンテナンスの管理がされることがあります。その場合に、該当する「API」を組み込んでいるアプリ・サービスを継続して問題なく利用し続けられるのかどうかをチェックする必要があります。リリースされている「API」の中では、更新した段階でシステムを継続して使うことができなくなるものもあります。

おわりに

API」といういと、簡単に導入できて上手く活用することができれば生活の質も非常に上がることが期待されます。

利用することで、本来は入力しなければいけない情報を入力するステップが省けたり、入力するだけで自動でデータが反映されたりと、あることで日々のインターネットを使うことが非常に楽にできることが期待出来ます。

しかしその反面で、情報の攻撃を外部からされてしまったり、システムの更新があれば障害が出てしまうといったリスクも考えられます。便利だからと「API」に頼りすぎず、ある程度自立・独立しながらシステムを使いこなせられるように整えておきましょう。